「なんか最近、ハムスターの
歯が伸びすぎてる気が…」
ハムスターの歯は頻繁に硬いものを
かじっていないと、すぐに伸びてしまいます。
私は以前動物病院で働いていたのですが
歯の伸びすぎで来院したハムスターは
とても多くいました。
歯が伸びすぎていると、
水を飲んだり、食べ物を食べたりすることが
大変難しくなるので、脱水症状や栄養失調
になりやすく、とても危険です。
今回はハムスターの歯を
伸びたままにしていると
なぜ危険なのかという理由や
歯のカットの仕方などをご紹介するので
ぜひ参考にして下さい。
ハムスターの歯が伸びすぎてる!これって普通なの?
ハムスターの歯は、通常
生きている間は伸び続けます。
ネズミやリスなど、他のげっ歯類
も皆同じで、歯は生涯伸び続けます。
しかし野生のネズミなどは常に硬いものを
噛んでいるので、歯は自然に削れていき
通常切ったりする必要はありません。
ハムスターも本来は自分でかじってケアする
ため、人間がケアする必要はありませんが、
もし柔らかい食べ物ばかりを与えていたり
硬いかじり木などがない場合は、歯を削ることが
出来ずにどんどん伸びてしまいます。
また、稀に生まれつき歯のかみ合わせが悪い
場合、硬いものを噛んでいても歯が削れずに
歯が伸びて行ってしまうケースもあります。
これを過長歯といい、この場合は
定期的に切ってあげるなどの
ケアをしなければいけません。
ハムスターの歯が伸びるのはどうして?
ハムスターの歯は全部で16本ありますが、
この中で伸びるのは、上下の前歯4本のみです。
この理由として、これらの上下4本の歯には
神経が通っているからです。
通常、歯自体には神経が
通っていないのですが
げっ歯類の上下4本の歯には
神経が通っています。
そのため栄養分などが歯にも送られてくるため
これらの歯は生きている限り伸び続けます。
通常これらの歯は硬いものをかじることによって
自然に削られていきますが、人に飼育されている
場合は硬いものをかじる機会も限られているため
歯が伸びすぎてしまう場合も多くあります。
ハムスターの歯の伸びすぎを放置すると危険なの?病気になる?
ハムスターの歯が伸びすぎているのに
放置した場合、様々な問題が起こり
結果、食べ物が食べられなくて
栄養失調になってしまったり、
脱水症状になってしまったりします。
歯の伸びすぎによって引き起こされる
病気は以下の3つです。
1.歯周病や歯肉炎
2.不正咬合
3.切歯破折
それでは順番に
見ていきましょう。
1.歯周病や歯肉炎
歯周病は歯や、歯の周りの
病気のことを言います。
虫歯や歯肉炎、口内炎などが
歯周病に含まれます。
歯周病になると、口臭がしたり
歯ぐきから出血、よだれを垂らしたり
食欲不振になったりします。
ハムスターは歯を削るために
常に硬いものをかじろうとします。
ケージの中にかじり木など
適切なものがないと、ケージの
金網の部分などをかじり始めます。
そうすると歯茎などを傷つけてしまい
そこから細菌が入って
歯周病となってしまいます。
また、ハムスターの上の前歯の根は
目の近くまで伸びているため、歯周病になると
眼球突出の原因になってしまったりもします。
2.不正咬合
不正咬合とは、歯が伸びすぎて
歯のかみ合わせが合わなくなることです。
不正咬合は遺伝によって上あごと下あごの
長さが違うことによって起こることも
あります。
しかし、上述したように金網をかじる事
によって歯が折れてしまった後に不正咬合と
なったり、歯茎を傷つけることによって
炎症を起こし、歯が歪んでしまうことによって
不正咬合となることもあります。
不正咬合となった場合は、
上手く食べ物をかじる事が出来ずに
栄養失調となってしまうので早めの対処が必要です。
3.切歯破折
切歯破折とは、歯にひびが入ったり
折れてしまう事です。
主に金網をかじっている時に
折れてしまう事が多く、
折れてしまった場合は
すぐに病院へ連れていく必要があります。
ハムスターの前歯は神経が通っているため
そこから細菌が入ってしまうこともあり、
そうなると歯髄炎を起こす原因となってしまいます。
歯髄炎は内耳炎や中耳炎の原因となったり
最悪の場合は脳に細菌が感染して
死に至る場合もあります。
ハムスターがケージを噛む場合、
こちらの記事もぜひ参考にして下さい。
効果的なしつけ対策もご紹介しています。
ハムスターの歯を守ろう!カットする時は病院へ
ハムスターの歯を切るには
ハムスターをしっかりと
拘束して、小さい手術用のハサミや
ニッパーで切ることになります。
しかし、これは素人が簡単に
できることではありません。
自分でカットするのはとても危険なので
必ず獣医さんに連れて行って切ってもらいましょう。
歯を切ることは、ハムスターにとって
大きなストレスになります。
しっかりと拘束していないと
動いて口内や舌を切ってしまう
こともありますし、歯を切りすぎて
しまうと神経を傷つけて出血して
しまうこともあります。
神経を傷つけてしまうと
上でお話したような歯髄炎を
起こす可能性もありますし
何より大変な痛みを伴います。
また、切った歯を誤飲して
窒息する恐れもあります。
ハムスターが遺伝性の
不正咬合の場合は定期的に
歯をカットすることになるので
獣医さんに指導を受けたあと
自分でカットすることになる
場合もあります。
しかし、それも1か月に1回程度なので
自信がない場合は、獣医さんに
連れて行って切ってもらうことを
おススメします。
ハムスターの歯の伸びすぎの防止に有効な対策方法は?
ハムスターの歯が伸びすぎ防止に
有効な対策方法は以下の3つです。
歯の伸びすぎ対策の方法
- かじり木を入れる
- 木製の巣箱を用意する
- 硬いハードタイプの餌やおやつをあげる
かじり木は歯の伸びすぎ予防や
ストレス解消にも効果がありますが
興味がない子もいます。
木製の巣箱もかじり木と同様の
効果がありますが、同じく興味を
示さない場合もあったり、尿が染み込むため
衛生面に気をつける必要があります。
口内に傷がある場合、巣箱が不衛生だと
細菌に感染しやすくなるので、定期的に
交換する必要があります。
一番効果があるのは、普段から
あげている餌を硬い乾燥ペレット
にすることです。
また、おやつには殻付きの
ひまわりの種や、ビスケット
などをあげると効果的です。
ただし、ひまわりの種は
カロリーが高く、肥満になる
ため少量にしましょう。
まとめ
以上がハムスターの歯が伸びすぎている
場合の危険性についてでした。
歯の伸びすぎは発見が遅れることも多く
伸びすぎによって食べられなくなってから
気づく場合もあるので、注意が必要です。
ハムスターの歯が伸びすぎている場合
歯周病や不正咬合、切歯破折などの
危険があるので、すぐに対処する
必要があります。
素人が歯を切ろうとするのは
大変危険ですので、けして自分で
切ろうとはせず、病院へ連れて行って
切ってもらって下さい。
普段の餌を乾燥タイプのペレットにしたり
木製の巣箱やかじり木を入れると
かじる機会が多くなるので、歯の長さを
コントロールできます。
かじる事でストレス解消にもなるので、
ハムスターの好みのものを見つけて
常に何かをかじれるようにして
あげて下さいね。
金属製のケージを使っている人は
多いと思いますが、噛んでしまうことが
原因で買い替えようと思っている方は
こちらの記事もぜひ覗いてみて下さい。
お勧めのケージが写真付きで
紹介されているので選ぶ際に
とても参考になりますよ。